突然開かれた記者会見での磯貴太専務……「磯蔵」特設会場にて
 突然、事務所の前で開かれた記者会見。磯酒造有限会社の磯貴太専務は、「こんなのどこにあったの?」と誰もが驚く幟を手に、赤ら顔で超ご機嫌!背後では社員らがセッセと仕事に精を出していた。




 笠間市稲田にある磯酒造有限会社(磯信子社長)の磯貴太(たかひろ)専務は、このほど、思いつきで記者会見を行い、「平成十五年一月に社名及び、主力商品である稲里のラベルやロゴマークを変える」と鼻息荒く発表した。 午前中であるにもかかわらず、ほろ酔い気分で登場した磯専務は、詰めかけた数人の記者らに対し、「まずはうちの酒を飲んでくれ」と強引に杯を勧める場面もあった。磯専務の背後では、社員らがいつも通りの落ち着いた仕事ぶりを見せており、興奮する磯専務と社員らの表情の違いに記者からは、「この酒屋は社員らの力でもっている」と、ため息まじりの笑いが漏れていた。

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 今回、変更を余儀なくされているのは、社名、パッケージ、造りの三点。
 社名について磯専務は、まず「現在うちを表すブランドは『稲里』『磯酒造』『磯蔵』、さらに各酒銘柄など、数多く存在するため、これらを絞ることで、ブランドイメージをより強く打ち出したい」と説明。
 創業当時からの屋号であり、今なお笠間の人々に親しまれている「磯蔵」を復活。正式名称を「磯蔵酒造有限会社」とする見込みだ。
 ここには、「磯」から直結する「海」のイメージから遠ざけ、現在流行している「蔵=和、骨董、懐古趣味、酒造り」のイメージを有効利用したいとの狙いがある模様。
 次に、これまで使ってきた同酒造のラベルや包装、ロゴのイメージがバラバラであったことを挙げ、「これらの統一、定着化を図る」ことで「蔵のこだわりを、より強力にわかりやすくお客様に伝えたい」とした。
 こうした背景には、統一により、ラベル貼り付けの機械化などをはじめ、酒造り以外の作業の省力化を図りたい考えがあるようだ。
 新たなパッケージが訴えるキーワードは、「日本・茨城・笠間・稲田・水(石透水)・米(地元産)・和・自然・四季・わびさび・なごみ」等。磯専務は、「これまでの日本酒ラベルのイメージは打破したい。その上で、怪しさや危うさなどのせっぱ詰まった感じや色気を表現したい」と語り、仕上がりに満足げな表情を見せた。
 造りについては、地元・稲田で栽培された酒米を使うと発表。これにより、地域内では「自分も酒造りに参加しているという意識から、蔵への親近感、愛着を持ってもらえる」ことを目指し、地域内では、地酒以外の酒は飲ませない勢いだ。
 また、地域外の人々には「地産地消の安全や健康への安心感」をアピールしていきたいなどと大声で話したため、隣接する稲田駅では「大地震が来たと思った」と、一時電車の発着を見送るハプニングもあったという。

磯蔵酒造有限会社/茨城県笠間市稲田2281番地の1/電話(0296)74-2002